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余命一年、男をかう

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幼いころからお金を貯めることが趣味だった片倉唯、40歳。ただで受けられるからと受けたがん検診で、かなり進行した子宮がんを宣告される。医師は早めの手術を勧めるも、唯はどこかほっとしていたーー「これでやっと死ねる」。
趣味とはいえ、節約に節約を重ねる生活をもうしなくてもいい。好きなことをやってやるんだ! と。病院の会計まちをしていた唯の目の前にピンク頭の、どこからどうみてもホストである男が現れ、突然話しかけてきた。
「あのさ、おねーさん、いきなりで悪いんだけど、お金持ってない?」。
この日から、唯とこのピンク頭との奇妙な関係が始まるーー。


吉川 トリコ
1977年生まれ。名古屋市在住。2004年「ねむりひめ」で「女による女のためのR-18文学賞」第3回大賞および読者賞を受賞。同年、同作が入った短編集『しゃぼん』にてデビュー。『グッモーエビアン!』『戦場のガールズライフ』はドラマ化された(『グッモーエビアン!』はのちに映画化)。その他の著書に、『少女病』『ミドリのミ』『名古屋16話』『光の庭』『マリー・アントワネットの日記Rose』『マリー・アントワネットの日記BLeu』『夢で逢えたら』など多数。

Tankobon Softcover

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Displaying 1 of 1 review
Profile Image for Erika.
2,910 reviews88 followers
September 17, 2021
題名の「かう」が、「買う」なのか「飼う」なのか気になって、借りてみた。
適当に読めて、適当に忘れる軽い内容を想像していたので、読みながら泣いてしまった時は驚いた。
(ワクチンの副作用でちょっと熱があるのも関係してるかも)

主人公の「これでやっと死ねる」という気持ち、人に心を開かずに、分かりやすい価値観だけで人カテゴライズして近づきすぎないようにして、人に迷惑をかけずに生きて/死んでいきたい、という気持ちが、まさに私が小さいときから感じているものなので、とても共感してしまった。
私も常々、大事な母が嘆き悲しむから彼女が生きている間は健康で生きるつもりだけど、もし私が一人残された状態で病気になったら、治療しないで最期の日々を楽しんで死のう、と考えている。

その消極的な主人公の考えを、男性との出会いが変えていく、というととても陳腐な感じがするけれど、陳腐に感じなかった。「ピンク頭のホスト」も自分の人生に悩みや考えがあり、お互いに変に馴れ馴れしくならないのにぶつかり合ってる、その絶妙なバランスがいい。

(あとは、今年の3月に初めて「ホストクラブ」に行ってみて、一口に「ホスト」と言っても色んな背景を持った色んな人がいるという事(当然なんだけど)をちゃんと理解したから、余計に「ホスト」な男性キャラも好意的に感じたのかもしれない。ホストの人たちに色々話を聞く前だったら、「ホスト」として一つのステレオタイプでしか認識できなかったと思う。)

人に超おすすめしたい、とまでは思わないけれど、主人公の消極的な人生への姿勢に自分を重ね合わせてしまい、とても印象深い本だった。
珍しく今年出版されたばかりの本を読んでしまったが、図書館で待ったかいがあった。
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