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くもをさがす

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カナダでがんになった。
あなたに、これを読んでほしいと思った。

これは、たったひとりの「あなた」への物語ーー
祈りと決意に満ちた、西加奈子初のノンフィクション

『くもをさがす』は、2021年コロナ禍の最中、滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告された著者が、乳がん発覚から寛解までの約8 ヶ月間を克明に描いたノンフィクション作品。
カナダでの闘病中に抱いた病、治療への恐怖と絶望、家族や友人たちへの溢れる思いと、時折訪れる幸福と歓喜の瞬間――。
切なく、時に可笑しい、「あなた」に向けて綴られた、誰もが心を揺さぶられる傑作です。

● 『くもをさがす』へ寄せられた声

思い通りにならないことと、幸せでいることは同時に成り立つと改めて教わったよう。
――ジェーン・スーさん(コラムニスト)

読みながらずっと泣きそうで、でも一滴も泣かなかった。そこにはあまりにもまっすぐな精神と肉体と視線があって、私はその神々しさにただ圧倒され続けていた。
西さんの生きる世界に生きているだけで、彼女と出会う前から、私はずっと救われていたに違いない。
――金原ひとみさん(作家)

剥き出しなのにつややかで、奪われているわけじゃなくて与えられているものを知らせてくれて、眩しかったです。関西弁のカナダ人たちも最高でした。
――ヒコロヒーさん(お笑い芸人)

読み終わり、静かに本を閉じても心がわさわさと迷う。
がんの闘病記という枠にはとてもおさまらず、目指す先はまったく別にあることに気づかされた一冊。幸せいっぱいのときに、それを失う恐怖心が同時に存在するパラドックスに気づくと、上手くいったとしてもイマイチでも、自分なりに納得できる瞬間の積み重ねが人生なのだとあらためて知る。
――高尾美穂さん(産婦人科医)

238 pages, Kindle Edition

Published April 18, 2023

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17 people want to read

About the author

Kanako Nishi

52 books79 followers
Born in Tehran in 1977 and raised in Osaka Prefecture.

After graduating with a law degree from Kansai University, Nishi made her debut as a novelist with Aoi in 2004. Her sophomore novel Sakura became a best-seller next year. She is also known for her novels Tsutenkaku, Kofuku Midori no and Entaku.

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69 reviews
May 24, 2025
読了23/7/15 感想7/15★★★★★西さん新刊小説と思い勢い購入。違った。本人への乳がん告知から、手術、今にいたるノンフィクションだった。一気に読む。リアルの空気が伝わる内容と文章。痛み、喜び、笑いを共有させてもらった思い。ノンフィクションとしての不揃いな文脈と構成がよい。響いた言葉—私の体のボスは私/西加奈子とニシカナコ/鈍い孤独/“あなた”に向けて書いている/“私は女性で、そして最高だ”—最終章で筆致が勢いを増す。乳がん経験した人間”西加奈子”の思いがあふれる。人間のはかなさと素晴らしさに泣く
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81 reviews1 follower
September 7, 2024
友達の本を借りていたので、『なるべく早く読んで返そう』と思い、読み始めたのですが、最初からドキドキが止まらず、途中途中で休憩しながら読むことになりました。
カナダの、よく言えばゆったりリラックスしたところ(悪く言えば適当なところ)が面白く描写されており、読んでいて『あるある』『だよね』と、思わず声に出してしまいそうな場面がたくさんありました。

今もご存命と聞いて、心の底から本当に嬉しいです。

大大大好きな弟、第二の母、そして息子のことを思い浮かべながら読んでいました。

この本を紹介してくれた友達に感謝です。


Some of my favourite quotes:
“どうして私は、こんなに幸福なのに、同時にこんなに寂しいのだろう” … “それは静かで、鈍い孤独だった。”
“結論はこうだ。自分の恐怖を、誰かのものと比較する必要は無い。全くない。
怖いものは、怖いのだ。”
“本当にこれで終わりなのか?
今後まだ、恐ろしいことが自分を待っているのではないか?
どこかで、そう考えている。そして、その思考は、最高潮に幸せな瞬間に浮びやすい。この幸運が信じられない、だからこそ、それを失うのが怖い。”

“それはありきたりの感情だった。私たちは、100%の気持ちで幸福を感じながら、同時に、100%の気持ちで、それを失うことを恐れる生き物なのだ。”


“そして、自分のスペースを削ってでも、他者のためにあろうとする姿勢は、上からの強制や「見え」を気にしてる気にする気質からだけではなく、日本人の持つ根本的な優しから優しさからも来ている。そう、みんな優しいのだ。シャイな人は多いが、何かをお願いすると、こちらが恐縮してしまうほど全力で助けてくれようとする。
バンクーバーに数年いた私が感じたのは、日本人には情があり、カナダ人には愛がある、ということだった。”

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#くもをさがす #西加奈子
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