生れ出づる悩み 他三編

by Takeo Arishima, 有島 武郎

絵を描きたいという欲求と、漁夫としての現実の二重生活に悩む少年。彼の内面の苦しみを祈りにもにた共感をもって描き出すが、それは主人公の苦しみにたくした作者自身の内面の苦しみの告白でもある。他に『小さき者へ』 『カインの末裔』 『一房の葡萄』を収録。

218 pages, 文庫

First published February 10, 1966

About the author

ARISHIMA Takeo (有島 武郎) was a Japanese novelist, short-story writer and essayist during the late Meiji and Taishō periods. His two younger brothers, Ikuma Arishima (有島生馬) and Ton Satomi (里美弴) were also authors.

Reviews

[Kaz · Rating 3 out of 5]

「生れ出づる悩み」というタイトルから何となく太宰のような感じを想像していたのですが、嬉しくも、その期待を裏切られました。北海の海と漁夫の様子が素晴らしく表現されていて、主人公の漁夫のピュアさときたら！短編ながら読む価値のある作品。「小さき者へ」も、なかなか心に染み入る短編でした。特に結婚したばかりか、父親になる、父親になった男性に読むことをお勧め。