何故、当時の支配者階級である武士が、明治維新を起こさなければならなかったのか?謎でした。黒船が来ただけで、こんなになるものかと。
この本を読んでやっと理解が出来ました。
当時の、武士のお給料が、江戸幕府ができたときの手柄が基準で決まっているため、職位とお給料が合わななかったこと
当時の武士の借金ぐらしが主流だったこと
自分のお給料が幾らかは分かっても、どの土地のコメからそれが支払われているのか、土地との紐付けが希薄だったこと
などなど、武士階級を取り巻く状況が、お金を通じてリアルに見えてきました。
加賀藩の京都出兵のPMだった猪山成之の働きを見て、大村益次郎が彼を軍に引き抜き、海軍勤めに。
大久保暗殺を謀たのは、石川県の士族達。当時の薩長登用の風が吹く中、リスキーな選択ではあったと思うのですが、遺体を引き取りに行った。ここに彼の人柄が出ていると思います。一番の首謀者であった島田一郎は、息子が海軍に入ることを願って遺書にしたためていたとのこと。
当時のもと士族にとって、海軍に息子を入れることが夢。海軍に入った、猪山家と、官に勤められなかった元武士達との収入の開きなど、など、「龍馬が行く」「坂の上の雲」では語られなかった、実務派猪山家通じて、江戸から明治への変化を理解することが出来ました。
生き生きとした文章。分かりやすいたとえで、読みやすく、とても勉強になりました。