魔法の島で織りなされる復讐と再生の物語。「人間てなんて美しいんでしょう。これはすばらしい新世界」――絶海の孤島で成長した美しい娘は思わずこう叫ぶ。ここにこめられた何重ものアイロニー。かつてこの幼い娘とともに国を追われたミラノ大公プロスペローは魔法により復讐をはかるが、やがて復讐者への憎しみは赦しへと変わり、平安が訪れる。妖精たちの歌声にみちた魔法の島で織りなされる、詩的情緒あふれるシェイクスピア最晩年の名作。そこにはシェイクスピアならではの苦みも仄見える。 シェイクスピアで人生を読む! 恋の切なさ、嫉妬、裏切り、「時」に翻弄される人間の悲劇、人間存在の不思議…。 シェイクスピアが現代に生きるわれわれに訴えるものとは何か。 日本で初めてシェイクスピアのテキスト編纂に挑み翻訳に打ってでた訳者ならではの、 舞台のリズム・台詞のリズムを完璧に活かした、流麗の決定訳。 本シリーズは、同じ訳者による「対訳・注解 研究社 シェイクスピア選集」[全10巻]の訳の部分を抜き出して、 再編したもの。各巻とも新しい解説を加えました。