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君が手にするはずだった黄金について
認められたくて必死だったあいつを、お前は笑えるの?
大学院生の僕は就活のESで手が止まった。「あなたの人生を円グラフで表現してください」。そこに何を書くべきなのか、そもそも僕はなんのために就職するのか?恋人の美梨は言う。「就職活動はフィクション。真実を書く必要はないわ」(「プロローグ」より)
本好きの就活生「小川哲」と恋模様を描いた冒頭作を皮切りに、「小川哲」は怪しげな人物たちと遭遇する連作短編集。青山の占い師、80億円を動かす金融トレーダー、偽ロレックスを巻く漫画家たち……。
彼らはどこまで嘘をついているのだろうか。いや、嘘を物語にする「小川哲」は、彼らと一体何が違うというのか?
才能に焦がれる作家が、自身を主人公に描くのは″承認欲求のなれの果て″―――。
大学院生の僕は就活のESで手が止まった。「あなたの人生を円グラフで表現してください」。そこに何を書くべきなのか、そもそも僕はなんのために就職するのか?恋人の美梨は言う。「就職活動はフィクション。真実を書く必要はないわ」(「プロローグ」より)
本好きの就活生「小川哲」と恋模様を描いた冒頭作を皮切りに、「小川哲」は怪しげな人物たちと遭遇する連作短編集。青山の占い師、80億円を動かす金融トレーダー、偽ロレックスを巻く漫画家たち……。
彼らはどこまで嘘をついているのだろうか。いや、嘘を物語にする「小川哲」は、彼らと一体何が違うというのか?
才能に焦がれる作家が、自身を主人公に描くのは″承認欲求のなれの果て″―――。
256 pages, Paperback
Published October 18, 2023
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Community Reviews
Displaying 1 - 3 of 3 reviews
September 8, 2024
「ブルーストは、確か記憶には二種類あると言っていた。一つは『意思的記憶』であり、何かを思い出そうとして能動的に引き出す記憶のことだ。試験の問題に答えようとするときや、昨日の夕食に何を食べたか思い出そうとするのがそうだ。三月十日に何をしていたか考えるのもこれにあたる。もう一つは『無意識的記憶』であり、突発的に連想され、浮かんでくる記憶のことだ。『失われた時を求めて』で、紅茶と一緒にマドレーヌを食べたとき、語り手は叔母のことを連想し、そこから当時のことを細部まで思い出している。ブルーストは後者にこそ、『失われた時』を見つけ出す鍵があると考えたのだと思う。
僕は三月十日のメールを調べたことをきっかけに、自分の『失われた時』を見つけだしつつあった。その『失われた時』というのは、たとえば徳川第九代将軍の名前を忘れたと言う意味で失ったものではなかった。『忘れた』と言う事実すら忘れ、自分の人生からすっかり抹消していた。歴史の事だった。僕は記憶と言うノートからその事実を消しゴムで綺麗に消し、その消し跡すら消そうとしていた。」 (『三月十日』P.68)
僕は三月十日のメールを調べたことをきっかけに、自分の『失われた時』を見つけだしつつあった。その『失われた時』というのは、たとえば徳川第九代将軍の名前を忘れたと言う意味で失ったものではなかった。『忘れた』と言う事実すら忘れ、自分の人生からすっかり抹消していた。歴史の事だった。僕は記憶と言うノートからその事実を消しゴムで綺麗に消し、その消し跡すら消そうとしていた。」 (『三月十日』P.68)
May 21, 2024
ようやく読めました、「君が手にするはずだった黄金について」。日々を生きるさまざまな人間を描写しながら、最終的には小説家としての自身への内省、そして皮肉もこもった自戒が各章に散りばめられているのが印象的であった。圧倒的な孤独。
August 24, 2024
拍子抜けする、面白いような、良く訳がわからないような
Displaying 1 - 3 of 3 reviews



