Erika2,840 reviews88 followersFollowFollowApril 10, 20243.5。著者の「おいしいごはんが食べられますように」に続き、物語としては面白いわけでもないのに、物凄く共感してしまう物語。言葉を使う人間としての、言葉の不自由さのもどかしさ。そして、他の人間との交流のわずらわしさや、すれ違い。それぞれの人間がそれぞれの世界で生きていて、結局はお互い仮面をつけて色々振りをしながら生きているというあきらめ。そういうものが、「芥川賞をとった作家の物語」という、物語の中でさえ物語と現実の境界がわからなくなってくる不気味さ全開の物語で語られる。やはり芥川賞受賞作品は、文章がうまい。窒息するレベルで長文なのに、息苦しくないのは、太宰治と似てる。以下、この本を読んでいた時にはGRにこの本のエントリーがなかったので、メモったものをコピペ:13:夜なのにあんまり寒くない。十月ってこんな感じだったっけ、と毎年思っているような気がする。どこからかトイレの芳香剤と同じ花のにおいがした。→さすが1988年生まれ。似てる。128: 本の賞味期限、という言葉が頭に浮かんだ。本に消費期限は無いのだろうけれど、賞味期限はあるのかもしれなくて、その期間の長さは、受け取り手によって違っているんだろう。141: 例えばメルカリで、〔長く会ってないけど会いたいって思ってくれている友達からの久しぶりの連絡。 ※ただし、仕事の都合でほんとうには会えません〕が売っていたら、みんな数百円どころか数千円払うんじゃないだろうか。classics-awardwinner east-asian fiction