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黑盒城市

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人生就是不斷逃亡。
至少對單車快遞員佐久間亮介來說是如此。

從老家逃到大學,從自衛隊到房屋仲介,上班又辭職,辭職又上班,後來當起了單車快遞員,每天都在東京的街道上奔馳。他日夜待命,騎自行車載著指定的貨物穿梭在大樓與電線桿之間,沒有人比他更熟悉這座城市的紋理與律動。

有時他會在這座大疫之城輕鬆慢騎,想像著那些口罩下的陌生臉龐,還有人生毫無目標、彷彿朝末路疾馳而去的自己。
對未來感到無比茫然……
他日復一日踩著踏板前進,漫無目的,就像在繞著一個巨大的圈子。
他想就這樣離開,卻一步也沒離開。
為了逃避每天賣力奔走,卻遲早還是得面對這個不中用的自己。 
直到那場意外發生,他內心彷彿有什麼驟然斷裂……
    
他渴望的世界,似乎就在這座黑盒城市的另一頭,
然而他卻怎麼也觸碰不到

作者透過細膩的筆觸與人物獨白,鮮明描寫出年輕世代關於「人生」、「工作」、「孤獨」等存在處境,以及看似疏離躺平之後瀕臨爆炸的彷徨無助,獲芥川獎評審委員小川洋子、吉田修一、山田詠美、川上弘美等名家盛讚,被譽為實力派新秀開拓新局的傑作。

224 pages, Paperback

First published January 26, 2022

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Displaying 1 - 5 of 5 reviews
Profile Image for Luna.
192 reviews
May 4, 2022
主人公みたいな人いる。自分とは遠い存在で、なんで世間的にいう"ちゃんとした"ことができないのか、いつも疑問だった。
この本で学んだのは、そういう人も案外私と同じ恐怖を抱えていること、そして他人からの愛を求めていること。でも、生まれた背景とか学校教育のなかで、自分に劣等感だったり、他人に素直になれない、頑張る意味がわからないんだなと思う。
遠くにいきたいっていう思い、めっちゃわかる。私も常に考えている。でも、そう簡単に遠くに行けるわけもない。まずは、近くで起こっていることとか、与えられている自分の使命を全うしてからじゃないと、遠くには行けないとおもう。

砂川さんの作品を読んだのは、これがはじめて。文章が所々長くて読みにくかったけど、主人公の経験、心の描かれ方が特にいいとおもった。
Profile Image for COOKIEHEAD.
35 reviews5 followers
February 16, 2023
現代における、しかもコロナ禍以降の、労働者階級に当たる主人公の葛藤を描いているうえで、リアリティはある。身体をもって労働を提供する、自転車でのデリバリー職に就き、保障も将来への展望もないに等しい状況で日々を生きる姿は、厳しさを色濃く想像させる。

全編を通して、主人公サクマが自分自身と向き合い、自分が社会に求めているものがよくわからないこと、ほかの人はどうなのかが解せないこと、かといって「ちゃんとしている」ように見える人を目にしても自分はそうなりたいわけでもないように感じることなどを整理していく。若い頃からの経緯も含め、その過程の描写はよかった。

しかしながら、上記のような疑問がとっさに怒りとして現れる瞬間に、主人公は止める間もなく暴力的行動に出る衝動にかられる事象については、個別に向き合っていないように感じた。怒りを持つこと自体は、程度や矢印の先には考慮が必要とはいえ、まっとうである。けれども、それが暴力として表に出てしまうことのコントロールは、きっとそれに合った特殊で個別のアプローチが必要なのでは?と思う。そこに触れる必要性を問うのは、小説に「正解」的なものを求め過ぎなのだろうか?

暴力を受ける側が内面と向き合う小説として、川上未映子の「ヘヴン」、Hanya Yanagihara の “A Little Life”を思い出す。これらが暴力性との対峙に関してより丁寧なのに対して、加害をする主人公の視点で描かれる本作はそれが足りないと思うと、この点は更に気にかかった。

社会に適合することに疑問を投げかける労働者小説として村田沙耶香の「コンビニ人間」も頭に浮かぶ。描写も帰着点も含めて、こちらの方が私は好きだった。

——

「まだ若い、と言う周囲からの言葉と無限にあるように思える時間に胡座をかいている間にどんどんいろいろなものがさびついてそう。遠くないうちにのっぴきならない状況に追い込まれるかもしれない、とサクマは肌で感じる。仕事を終えてのんびりと家路につくとき、うっかり立ち寄った、マックでバーガーにかぶりついている時、シャワーを浴びている時、SNSを無意味に徘徊している時、いつでも、そんな不安が、恐怖が、日々のクラックから顔をのぞかせる。でも、その最後の瞬間が確実に来るとわかっていても、こっちに対抗する手立てがないなら一体どうすればいいんだ?」(P.16)

「男ばかりの職場がほとんどだったが、そーゆー職場は陰湿なところが多かった。あのねちっこさは性別なんかではなくて、実際は働く人や組織の同質性の高さによってもたらされるものだった、と言葉ではなく、皮膚で学んだ。」(P.28)

「こんな日々を積み重ねた先にあるものは、やっぱりゴールじゃないという気がしている。どんな日々を積み重ねたら納得できるゴールがあるのかは分からない。ひょっとすると、積み重ねると言う行為はゴールから遠ざかっていくことなんじゃないかとも思える。一攫千金を夢見るのと同じばかばかしさが、積み重ねを拒否する行為には備わっているのは分かっているけれども、でも自分もやっぱりここから抜け出したいとは思っている。」(P.70)

「別に、それがどうこうというわけではなかったが、単にこういう男職場によくある女々しさは初めの頃から反吐が出るほど嫌だった。」(P.103)

「円佳は、自分と似ているところがあった。あったと思う。自分が決して関わることができない世界がどこかにあって、時たま、そいつが理不尽とか因縁とかの皮をかぶって顔をのぞかせることがあるということを知っている。自分はそれに耐えることができずに、また心中まだ僅かながらこれに関わっていけるのではないかと言いう期待みたいなものがあって、そしてそうはなれない今との不均衡がために、不規則に感情の決壊を起こすことがあったが、円佳は、そういう意味では完璧に不感症を起こすことでこれと対峙していた。あるいは対峙しないようにしていた。ほんのわずかな期間接するだけでは、あのナメた態度が彼女一流の処世術であることを見抜くのは難しい。本人はそう思っていないかもしれないけれども、サクマにはそのように見えた。」(P.139)

「この先どうなるかということ—つまりは刑期が満了したら外に出られるということ—がここでは担保されており、その保証が安心と不快を伴っていたのだ。今まで気づかなかったのが不思議なくらいだ。10年先、20年先、自分が死ぬ。その瞬間までが全て決められていたら不愉快に決まっている。安心だが不愉快だ。こういうのが許されるのは刑務所だからな。刑務所は制度だ。制度だけが未来を確たるものとして示すことができる。自分は遠くに行きたいと願いながら、一方で制度を希求していた。」(P.160)
Profile Image for CJ Tillman.
385 reviews7 followers
March 13, 2024
This book is such a good example of issues that a lot of Akutagawa winners have in that it takes an interesting and fresh perspective and then proceeds to do absolutely nothing with it. Nothing that happens in this book is very original and the conversations and thoughts the MC has are all extremely dull. This could have been an interesting look on people barely making ends meat, but instead reads like a diary of a character with with absolutely nothing of interest to say.
Profile Image for T.
34 reviews3 followers
September 29, 2025
《黑盒城市》開頭強勁,速寫主角佐久間在車龍換檔、加速、摔落的微秒瞬間。時間換取金錢,單車快遞員必須搶快。黃燈看起來過得去,腳就得踏下去。

郵遞區名、代稱人名。效率至上的數字符號讓《黑盒城市》前半帶有科幻色彩:生硬、極簡。

沒有興趣也沒有目標,主角對自己的生活跟單車沒兩樣:壞什麼修什麼,不預防也不優化。單車穿梭為什麼?因為他可以。

新冠不只增加單車外送員,也引來高收入者對單車的興趣。社經地位決定客群,單車作為必需品還是休閒品的差異,便是砂川文次《黑盒城市》的創作開端。

「與其心懷徒勞的渴望,不如澈底死心當笑話看,還更有助於心理健康。」悶燒的情緒帶一點懸疑的留空,原先吊人胃口的《黑盒城市》卻在書半沒了去向。

在作者揭曉主角異樣舉止的緣由後,不具新意的人設(社會壓抑下的人格)和老掉牙的監獄象徵(社會如同監獄,佐久間對監獄生活習以為常。)讓前段快遞員的新鮮視角,變得可有可無。

「起床的廣播聲響起,又是一個即將被遺忘的一天。」
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