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しろがねの葉
銀(しろがね)の光を見つけた者だけが、この地で生きられる――。父母と生き別れ、稀代の山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、石見(いわみ)銀山の坑道で働き始める。山に穿(うが)たれた深い闇に恐れと憧れを抱きながらも、そこに女の居場所はない。熱く慕う喜兵衛や、競うように育った隼人を羨むウメだったが、勢いを増すシルバーラッシュは男たちの躰(からだ)を蝕(むしば)んでゆく……。
生きることの苦悩と官能を描く、直木賞受賞作。
生きることの苦悩と官能を描く、直木賞受賞作。
- GenresJapanese Literature
416 pages, Paperback
First published September 29, 2022
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Community Reviews
Displaying 1 - 2 of 2 reviews
January 8, 2024
「慣れている、とウメは思う。威嚇して、自分より弱い相手を従わせることに。」 (P.28)
「きんと、と耳が鳴った。ややあって、怒りだと気付く。隼人とかいう少年も、おなごだとウメを鼻で笑った。あの悔しさが蘇る」 (P.54)
「女である己もいつかああなるのか。けだしそれは男のせいなのではないか。」 (P.73)
「銀を求める人の執念と技がただただ恐ろしかった。」 (P.229)
「信心深い岩爺は間歩の『穢れ』を厭った。それは人の邪気や油断であり、月のものがきたウメも穢れとして扱われた。岩爺は間歩の中の気の乱れが禍に繋がると信じていた。けれど、山の胎に穿たれたあの大穴は、そのもの自体が穢れのように思われた。昏い呪いを吐き出して、男たちを染めていく。あの日以来、そんな不吉な想像が付きまとっている。」 (P.232)
「女たちはよく笑い、健やかだ。子らもすくすくと育ち、飢えている者はいない。男たちが敷の暗がりに潜って、銀を掘れば掘るほど、間歩の外の輝きは増す。町は栄え、人の暮らしはどんどん豊かになっていく。
その反面、山に穿たれた闇もますます膨らんでいくのだ。今、この時も、銀堀の鉄子は、休みなく岩を削り、闇は深く大きく育っていく。銀が尽きる頃、仙ノ山はどうなっているのか。化け物のような間歩は、男たちに牙を剥かないのか。」 (P.232)
「人が生きる理が知りたいんじゃと。ヨキは見失うとるんじゃろう。喜兵衛を亡くしてからずうっとな。じゃけえ、おとよや岩爺の望みを叶えたようじゃ。死にたいと望むことは生きたいと同義なのかもしれん」 (P.301)
「きんと、と耳が鳴った。ややあって、怒りだと気付く。隼人とかいう少年も、おなごだとウメを鼻で笑った。あの悔しさが蘇る」 (P.54)
「女である己もいつかああなるのか。けだしそれは男のせいなのではないか。」 (P.73)
「銀を求める人の執念と技がただただ恐ろしかった。」 (P.229)
「信心深い岩爺は間歩の『穢れ』を厭った。それは人の邪気や油断であり、月のものがきたウメも穢れとして扱われた。岩爺は間歩の中の気の乱れが禍に繋がると信じていた。けれど、山の胎に穿たれたあの大穴は、そのもの自体が穢れのように思われた。昏い呪いを吐き出して、男たちを染めていく。あの日以来、そんな不吉な想像が付きまとっている。」 (P.232)
「女たちはよく笑い、健やかだ。子らもすくすくと育ち、飢えている者はいない。男たちが敷の暗がりに潜って、銀を掘れば掘るほど、間歩の外の輝きは増す。町は栄え、人の暮らしはどんどん豊かになっていく。
その反面、山に穿たれた闇もますます膨らんでいくのだ。今、この時も、銀堀の鉄子は、休みなく岩を削り、闇は深く大きく育っていく。銀が尽きる頃、仙ノ山はどうなっているのか。化け物のような間歩は、男たちに牙を剥かないのか。」 (P.232)
「人が生きる理が知りたいんじゃと。ヨキは見失うとるんじゃろう。喜兵衛を亡くしてからずうっとな。じゃけえ、おとよや岩爺の望みを叶えたようじゃ。死にたいと望むことは生きたいと同義なのかもしれん」 (P.301)
May 9, 2025
直木賞を受賞した時は時代とか舞台設定が自分の興味の範囲外だったから特に読みたいと思わなかったんだけど、なんとなく読み始めたらすごく引きこまれて、結果とても好みな作品だった。
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