ふぐの女王4 reviews1 followerFollowFollowFebruary 8, 2026喜多川泰さんの『いただきます。人生が変わる「守衛室の師匠」の教え』を読んだのは、社会人4ヶ月目で、仕事に少し慣れてきた頃。下っ端の私は、日々「誰にでもできそうな仕事」を任され、それを淡々とこなしていた。自分が思い描いていたキャリアとのギャップに、正直もどかしさを感じていた。そんなタイミングで父に勧められてこの本を手に取った。一番心に残ったのは、「一流とは、誰にでもできることを、誰にもできないところまでやる人のこと」という言葉だった。物語に出てくる守衛室の三人は、まさにそれを体現していた。松原さんは時間をかけて徹底的に校内を掃除し、業者や生徒と丁寧にコミュニケーションを取る。薮野さんは、使ったものをすぐ元の場所に戻し、出入りする業者を把握し、必要なものを先回りして用意する。警備という一見すると誰にでもできる仕事の中で、それぞれが自分にしか出せない色を持っている。その積み重ねが「一流」と呼ばれるのだと気づかされた。この考え方は、今の自分にまっすぐ突き刺さった。世の中に、自分だけにしかできない仕事が最初から用意されているわけではない。誰にでもできることを丁寧に積み重ねていく中で、自然と自分らしさがにじみ出る。それを個性と呼ぶ。その個性は、突然現れるものではなく、目の前の仕事に真剣に向き合う時間の中で育っていく。だからこそ、焦らずに、今与えられているクライアントやタスクに誠実に取り組むこと。その中で学び、自分が本当にやりたいことを見つけていくことが大切なのだと、この本は教えてくれた。読み終えた後、目の前の仕事の見え方が少し変わった。ただの「誰でもできる仕事」ではなく、自分がどう向き合うかで価値が変わる仕事。今はまだ小さな積み重ねでも、その先に自分だけの道がつながっているかもしれない。そう思えるようになったこと自体が、この本からもらった大きな贈り物だと思う。