その街は、たった一晩で姿を消した。
銃のスコープの中の屋敷は、
砂漠の街は、
ポオの遺稿に書かれた小屋は、
神聖な丘の頂上に建つ鳥居は、
幾人もの夢に現れる白亜の館は、
如何にして消失したのか?
奇跡の如き鮮やかな、5つの消失劇。
稀代のトリックメーカー、
新たな代表作となる傑作推理短編集。
一攫千金を夢見て忍び込んだ砂漠の街にある高レートカジノで、見事大金を得たジョージ。誰にも見咎められずにカジノを抜け出し、盗んだバイクで逃げだす。途中、バイクの調子が悪くなり、調整するために寄った小屋で休むが、翌朝外へ出ると、カジノがあった砂漠の街は一夜のうちに跡形もなく消えていた──第76回日本推理作家協会賞短編部門の候補に選ばれた表題作を始め、奇跡の如き消失劇を5編収録。稀代のトリックメーカー・北山猛邦の新たな代表作となる、傑作推理短編集。
【目次】
一九四一年のモーゼル
神の光
未完成月光 Unfinished moonshine
藤色の鶴
シンクロニシティ・セレナーデ