夜行

by Tomihiko Morimi, 森見 登美彦

僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。

　私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。
　旅の夜の怪談に、青春小説、ファンタジーの要素を織り込んだ最高傑作！
「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」

Genres: Japanese Literature, Fiction, Mystery, Fantasy, Horror, Novels

235 pages, Kindle Edition

First published October 1, 2016

About the author

Born in Nara Prefecture, Tomihiko Morimi graduated from Kyoto University, and his works often has Kyoto as setting.

Associated Names:
* Tomihiko Morimi (English)
* 森見 登美彦 (Japanese)
* 모리미 토미히코 (Korean)
* โมริมิ โทมิฮิโกะ (Thai)
* 森見登美彥 (Chinese)

Reviews

[James · Rating 5 out of 5]

『四畳半神話大系』や『夜は短し歩けよ乙女』で確立された森見登美彦のエキセントリックな作風から離れた本作は主に暗い静けさが漂う孤独なストーリーである。そのためか、著者から元気なユーモアを求める層にとっては期待外れとなる可能性があるが、個人的には今まで読んだ森見登美彦の作品でナンバーワンと言ってもいい程の傑作だと思う。
本作にはある一定のファンタジー要素もあるが、どちらかと言えば物語は内省的なホラー小説である。特に素晴らしく際立つのは比較的陳腐な出来事を意外にもシンプルな文体で描くことにより、かえって不気味な不安さを常に感じさせる著者の才能だ。また、5つの章を通し、登場人物が敢えて重要な情報を明かさず、読者独自の推理を必要とさせるミステリー要素も強く印象に残った。
著者のヒット作と異なる点が多いため、必ずしも万人受けする作品ではないかもしれないが、自分の意見としては寧ろ著者がこの類のダークな物語をもっと多く書くならそれはそれで非常にウェルカムだ。

[Sergio · Rating 4 out of 5]

A series of short ghost stories framed by a meeting of friends at a town festival 10 years after their classmate's disappearance during that same event. All of the stories are thematically related to the long-lasting impact of losing someone and being reminded of them by unexpected sights and places during their travels years later, and narratively linked by a series of engravings by a mysterious author in which a woman who looks like their missing friend beckons to them, titled Night Train.

I liked it, the paranormal aspect never outweighs the feeling of melancholia and loss, and the stories are all suitably creepy. Due to its premise (most of the friends are male, and the missing friend was a female student they all seemingly were in love with) as well as part of the ending I feel like it only narrowly escapes the reading of having its morale be "get yourself a wife, that will fix you", but in the end I think it has more interesting things to say than that, even if I can see the gravity of his previous works pull Morimi towards romance. I'm also fairly impressed with his range now, even if there were shades of this book in Yoiyama kaleidoscope (Shueisha Bunko) (2012) ISBN: 4087468453 Japanese Import .

[Akané D'Orangeville-Crozman · Rating 5 out of 5]

あらすじ、タイトル、表紙から「異世界系？ファンタスティック系？の物語」程度しか期待してなかったけど、ガチなホラーです。怪談形式。

怖い。雰囲気が美しく恐ろしい。艷やかというか、吸い込まれそうな、モーパッサンに似た感じ。

電車好きとしても満足度の高い作品。ディジョンからミラノまでの夜行列車を思い出す。「明ける気がしないね」、本当に明ける気がしなかった。スイスを横断中にスマホも繋がらなくなり、このままずっとこの旅が続いたらどうなるんだろう、続いてくれないかな、と思っていたのを思い出した。

もう一度読まないと確信して言えないけど、それぞれの旅先が似てるのがまた面白い。崩れかけの商店街、眠ってるような家、人のいない駅。

ぞわぞわする。繋がる物語、繋がる人物、消えていく人々。

6、5、4、3、2…と夜が明けて、また夜が来て、そのまま私達は死ぬんだろうなあ。

[Kaori · Rating 3 out of 5]

terrifying

[W.M. · Rating 4 out of 5]

「夜行」，雖然在書中也被說了「根本是百鬼夜行」的夜行，卻不完全是可怕的故事（雖然我一直真心覺得森見登卯起來寫怪譚都是真的會讓人害怕），反而因為「夜行」與「曙光」的對應，更有了不同世界，不同的生活和人生，並不全然美好但也不全然黑暗的溫柔暖意。儘管一路伴隨著「這世界全是夜晚」的低語，最終迎來的卻還是平凡、生活著的曙光。
啊，的確是這樣，怎麼之前沒有注意到呢？在讀完時忍不住會跟著微笑起來吧。

[W.M. · Rating 4 out of 5]

「夜行」，雖然在書中也被說了「根本是百鬼夜行」的夜行，卻不完全是可怕的故事（雖然我一直真心覺得森見登卯起來寫怪譚都是真的會讓人害怕），反而因為「夜行」與「曙光」的對應，更有了不同世界，不同的生活和人生，並不全然美好但也不全然黑暗的溫柔暖意。儘管一路伴隨著「這世界全是夜晚」的低語，最終迎來的卻還是平凡、生活著的曙光。
啊，的確是這樣，怎麼之前沒有注意到呢？在讀完時忍不住會跟著微笑起來吧。

[OtterM · Rating 4 out of 5]

其实我觉得有些克味，可能主要体现在他每个故事都不写结尾… 惊悚怪谈永远停在了那一刻，他也不打算给出解释，像是你永远也无法理解并触及的真相… 每个小故事到底是怎么回事你倒是告诉我啊！！我好好奇妻子怎么了！！！

[Shushi · Rating 4 out of 5]

如果整个故事都能延续阴森的怪谈风格就好了，以温暖人心的平行世界作结稍显落俗。

[Siddhant Deshmukh · Rating 2 out of 5]

話の設定は良かったが、進展は良くなかったと思う。
しかし、雰囲気の作り方は凄かった。スリルを時々感じたこともあった。

[Ferrrnandodo · Rating 5 out of 5]

Masterpiece.

[Fernanda · Rating 3 out of 5]

Reading was a delight regarding the vibe but I may just be stupid because that was a lot to process.

[Emi · Rating 4 out of 5]

読み終わってもいろいろと疑問が残るところがあってもやもやする部分もあるけど、全体的にひきこまれる話だった。ただ、夜中に読むと怖い。。。

[Yasuo Itoh · Rating 4 out of 5]

普段はホラーを読まないのだが、話題の作品なので読んでみた。本作品はホラーというよりもミステリだった。世にも奇妙な物語に近い。なので、ホラーが苦手な私でも十分に楽しめた。まあ、夜に枕元の電気スタンドの灯りで読んでいて、ふと後ろを向いたときの部屋の闇は、まさに吸い込まれるような漆黒だった。暗い部屋で読んだことを少し後悔している。いや、楽しめたと言うべきか。さて、本作は、夜と昼の境目に宿る物語の表現が白眉。きれいな物語である。

[Leo Nard · Rating 5 out of 5]

とても良い本だと思います！岸田道生の「曙光」と「夜行」という傑作がめっちゃ気に入ってて文章を読むだけでこの世の中で本当に存在してるような感じが漂いつつ、吸い込まれるような雰囲気。

[Alistair · Rating 4 out of 5]

這本如果映画化應該就是《彗星來的那一夜》，讓飛來的彗星換成出巡的天狗就好。

[Hiu Ying · Rating 2 out of 5]

沒有太多追下去的感覺。

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