Erika2,836 reviews88 followersFollowFollowJanuary 7, 2021読みやすい本だった。特に目新しい情報が満載、というわけではないけれど(私自身が翻訳の仕事をしているし、帰国子女なので米語/英語の違いも馴染みがある)、たまに、「そうか言われてみればそうやって使い分けてる!」という記述もあって、面白い。(aboveとoverなど…特許明細書の翻訳してるのに、ちゃんと考えてなかった!)雑誌にコラムとして載ったものをまとめた本らしく、それぞれの項目は短く、そしてユーモラスに誤訳を解説している。私も原書を読んだあと和訳を見て、「あれ、こういう解釈って合ってる?」と思う事が結構多いので、日本語だけでなく英語の文章も載せてくれているのは嬉しい。自分でまず脳内変換できるから。(が、英語を読むときにわざわざ脳内で和訳はしないので、ここでもやはり、「翻訳」とはエネルギーのいる作業だと痛感する…あぁ、先延ばしにしてる仕事しないと…)それと、翻訳や出版に関する本を色々読んでいる身としては、本文中に知っている本が出てくるのが嬉しい。しかも、読みながら「あ、これってあれにも出てきたな」と思った直後に題名が出てくる。(例えばIs That a Fish in Your Ear? Translation and the Meaning of Everything(本文では「a」が抜けていて、とても気になってしまった)や、校閲ガールシリーズなど)が、「はじめに」はあるのに「さいごに」的なものが無く、唐突に終わるのがちょっと残念。それと、英語/日本語が80%くらい分かる人間じゃないと、ちょっとつまらないかもしれない、とも思う。例えば、引用部分が全部フランス語だったら、多分私はこの本楽しめないだろうな。というわけで、☆4つ。(でも表紙デザインも素敵だし、英語が多少できる人なら楽しめる内容なので、友人達に薦めようと思う。Bookoffで見つけたら買おうかな…)non-fiction recommend-to-friend