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死にがいを求めて生きているの

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誰とも比べなくていい。
そう囁かれたはずの世界は
こんなにも苦しい――

「お前は、価値のある人間なの?」

朝井リョウが放つ、〝平成〟を生きる若者たちが背負った自滅と祈りの物語

植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介。
二人の間に横たわる〝歪な真実〟とは?
毎日の繰り返しに倦んだ看護士、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年ディレクター。
交わるはずのない点と点が、智也と雄介をなぞる線になるとき、 目隠しをされた〝平成〟という時代の闇が露わになる。

今を生きる人すべてが向き合わざるを得ない、自滅と祈りの物語。

473 pages, 単行本

Published March 10, 2019

18 people want to read

About the author

Ryo Asai

36 books14 followers
Ryo Asai (朝井リョウ ) began creating picture books at the age of six and writing stories while still in grade school; soon he was submitting manuscripts to new-writer contests as he dreamed of publishing a book of his own. He made his literary debut as a student at Waseda University, when his novel Kirishima, bukatsu yamerutte yo (Kirishima Says He's Quitting the Team) took the 2009 Shosetsu Subaru New Writers' Award. He has kept up a constant stream of publications since his debut. When his novel Nanimono (Somebody) was awarded the Naoki Prize for the second half of 2012, he was only 23, making him the youngest male author to have ever won the award. His other works include Chia danshi!! (Guy Cheerleaders!!), Mo ichido umareru (To Be Born Over), and Shojo wa sotsugyo shinai (Girls Don't Graduate).

source:http://www.booksfromjapan.jp/authors/...

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Displaying 1 - 3 of 3 reviews
Profile Image for sari.
15 reviews
June 28, 2024
ありのままでいいんだよと言う
優しい社会の裏にあるナイフ。

感想:
いろいろ共感できるところもあったし、自分に照らし合わせてしまって恥ずかしくなったりするところもあった。自分が生きている理由なんて、これまで真剣に考えたことがあんまりなかった。生まれたから生きている位にしか思っていなかったし、この本を読んだ後でもそんな気がしてる。だけど、せっかく生まれたからには、幸せでいたいし、楽しく過ごしたいし、おいしいものを食べたり、友達と話したりして笑ったりしたい。ただそれだけ。せっかく生まれたからには、自分が大切だと思うことに取り組んでいきたいし、生きていくのにお金が必要でそのために働くことが必要なのであれば、それがお金の為だけじゃなくて、社会のためだったり、自分が大切に思う事のためになったらもっと幸せになれるだろうし、大変なプロセスも楽しみながら学びだと思って頑張れると思う、ただそれだけ。
ここまで追い込まれて、自分が生きている価値を作り出そうとしている主人公たちを見ると、生きているだけで、価値があるって智哉みたいに思ってしまいそうだったけど、生きてるだけでいいんだよって言う言葉だけでは救うことができない。何かがあるって解説にも書いてあった。


共感したところ:

「よく知らない人たちの中にいると言うだけで、これまでずっと仲良くしてきた智也が、よく知らない人に見える。その人の背景が変わるだけで、その人の所属している場所が変わるだけで、その人まで変わってしまったように見える。」
→自分がまだ大学で勉強してるのか、社会人になって仕事を始めてもう3年経つ友達もいる。生活スタイルもお金の使い方も、考え方も、周りの人間関係も、全然自分が知っていたものとは違うものになっていて、その人まで変わってしまったように見える。実際、変わった部分もあれば、変わっていない部分もあるはずだけど、変わってしまった部分が特に強調されてしまっているのかもしれない。これは私もたまに感じる気持ちですごく共感できた。

「配布されたパンフレットをパラパラと眺めていたが、シーエムでもよく見る浄水器が載っているのを見つけた途端、急にこの会社を身近に感じた」
→就活の時にも知ってるの前の企業の方が圧倒的に身近に感じる。名前を知ってると言うだけなのに。多分私が知ってるって事はきっと有名な企業、有名な企業であれば入れば周りからも評価されると言う頭の片隅にある認めたくはない思い込みから来ているものなんだろう。

「右側に集まった人たちも、左側に集まった人たちも、本当はみんな少しずつ違う場所にいたはずなのに、そちら側にいるからってことで、大きな集団に入れられてしまう。それを繰り返していくと、結局真ん中にあるものが何なのかよくわからなくなる。だけど、争いの規模だけは大きくなっていく。
「そうゆう、集団の中にあるグラデーションを見逃さないようにしたいなと思う」
→これは特に私も意識しておきたい言葉だった。誰かをその人の所属や1つの側面だけで判断してカテゴライズするのではなく、その人と実際に言葉を交わして個人として理解しようとする姿勢を大事にしたいと思った。

「難しい問題」「だけど、こういう議論ができる場所があること自体が大事」「だけど、私たちと同世代の人たちはこういう議論をしたがらない」「じゃあ私たちの活動から少しでも社会や世界の問題に同世代が目を向けられるようにしていかないと」、「もっと私たちが頑張ろう頑張ろう」と、いつものゴールに緩やかに着地していく。
その終着点は前回の飲み会と全く同じだったが、みんなそれで満足そうな表情をしていた。
→まだ社会でしっかり働いたことのない。私は、大学の中での議論や、友達同士の議論や、その日限りのイベントやプログラムの中だけでの議論にとどまって、当事者としてではなく、傍観者として意見を考えるだけで、発言したらしたで終わり。それを実行に移すこともなく、議論したことに満足してしまうことが多い、。これはとてもぐさりとくる文章だった。ホームレスの団体で活動していた。恵のように、当事者として何か自分が行動しないといけないと言う焦りやストレスには共感できる。だけど、今大学院で自分がすべき勉強もあって、なかなか長期にわたってコミットできる活動に踏み込めない自分もいる。さすがに社会で働き始めてから、もうこんなふうに口だけで満足する大人にはなりたくない。でも、仕事をし始めたからといって、自動的に口だけの人間を卒業できると言うわけではないと思うから、やっぱりその自分の置かれた環境や持っているネットワークやリソースを活用して、口だけではなく、行動に移すことができる仕事につきたい。

「あなた日韓関係ついて、改めて僕に話聞きたいとかなんかいろいろ言ってましたけど、本当は全然興味ないですよね。」これまで誰にだって改めて話を聞きたいとか言ってきたの、とも思った。

お前は今何してんの?
お前は今どれだけ注目されてるの?
社会のために何かしてるの?
価値のある人間なの?
何もせずのうのうと自分だけのために図々しく生きてんの?

女性の自立とか、女性の社会進出とかさぁ、ずるいよなぁ。俺ら男は自立して当然だし、社会進出してないとクズだと思われるのによ。
男で何も成し遂げなかったらヒモ扱い、女で何か成し遂げたらヒーロー扱い

そんなところで競ってるって事は全部自分のためにやってるんだよ。自分の世代がもっと政治に興味を持つようにとか、偉そうなこと語ってたけど、結局全部自分のため。自分は生きる意味がある人間で、この人生には、価値があると思いたいだけ。

生きがい。それってなきゃいけないの?

お互いの過去が、そして未来が重なり合う位、寄り添うことができている気がした
体が触れ合っているわけでもないのに、よしきはなぜだか今自分は今までで一番めぐみのそばにいると思った。

自分たちは不当な評価を受けていて、既得権益が威張っている理不尽な社会に対して健気で誠実な姿勢で挑むみたいな。ドラマも映画もそんなんばっかりだしさ。もう飽きた飽きた。

自分の中にもいるんですよ。堀北祐輔が。いつも何かと戦ってるように見せかけて、本当別のものから逃げ続けているこの感じわかりますもん。



母が一度聞いたそうです。
次から次に目標を立てて、達成できなくて、また追って、昔はそのがむしゃらさんに聞かれたけれど、今はちょっと不思議に思うって。どうしてそんなふうにしか生きられないのって。
そうしたら、こう答えられたそうです。
お前と違って男だからだって。

常識から外れて見える決断さえすれば、その常識の中で競争してきた人たちに対して、18報いることができるとでも思ったんでしょうね。常識に縛られすぎた人間がする、典型的な行動ですよね。

大学院生っていいよな。実際何してるのかよくわかんなくても社会人てわけじゃなくても、何かすげえことしてるように見える。
→自分もこの1年間、いろんなテーマに触れていろんな課題を提出して、いろんなグループワークでいろんなディスカッションをする中で何をやっているのか一言では説明することができない。自分がいる。それはきっとたくさんの勉強量をしっかり消化して自分の中に落とし込めていないからで、だからこそ、自分の口で自分の言葉で説明することがまだできないんだと思う、。でももう1年も経って、この状況なのはさすがに焦りを覚えているし、卒業した時にも結局何をしたのかよくわからなかった。2年間には絶対にしたくないから、この夏休みは1年間の学びをしっかり消化して、興味のあることについて、自分の言葉でしっかりと、深いレベルで、説明できる、自信を持って議論することができるようになるために努めたい。

人間は3種類いると思ってる。
1つ目は生きがいがあって、それが家族や仕事、つまり、自分以外の他者や社会に向いている人。
自分が生きる意味ってなんだろうとか、そういうことを考えなくたって毎日が過ぎていく最高だよ。

2つ目は生きがいはあるけど、それが他者や社会には向いていない人。
仕事が好きじゃなくても、家族や大切な人がいなくても、それでも趣味がある、やりたいことがある、自己実現人間。
こんな風に生きてていいのかなって思う時がたまにあるけど、自分のためにやってたことが結果的に、他者や社会を良くすることにつながるケースもある。

3つ目は生きがいがない人。
他者貢献でも自己表現でもなく、自分自身のための生命維持装置としてのみ存在する人。

辛くても愚痴ばっかりでも、みんなとりあえず働くのは、金や生活のためって言うよりも、3つ目の人間に落ちたくないからなんだろうなって。自分のためだけに食べてうんこして寝て、自分が自分のためだけに存在し続ける方が、嫌な仕事するより気が狂いそうになること、どこかで気づいてんだろうなって。

人間は自分の物差しだけで自分自身を確認できるほど強くない。そもそも物差しだって、それ自体だけでこの世に存在することはできない。ナンバーワンよりオンリーワンは素晴らしい考え方だけれど、それはつまりこれまでは、見知らぬ誰かが行ってくれた順位付けを自分自身で行うと言う事でもある。見知らぬ誰かにお前をとっていると決めつけられる、普通の代わりに、自ら自分自身にあの人より劣っていると、言い聞かせる悲しみが続くという意味でもある。
→順位づけがなくなったり、競争がなくなったからといって、自分の心の中で順位付けや競争がなくなると言うわけではないと言う事が身に染みてよくわかった。私も心の中であの人はこんなに頑張ってるのに、自分はまだこんなこともできてないとか、こんな経験もできてないとかあの人はこんな経験もしてるとか、誰かに隠されてるわけでもないのに、自分で勝手に企画している時がある。でも、それがほとんどの場合、自分が頑張るモチベーションになっていたり、自分が取り組むべき事の参考になっていたりするから、全く悪いわけではないと思う。だけど、自分にとってのプラスのエネルギーに変えられないまま、他の人の情報ばかりを見て、自分にベクトルが向かないまま比較しては落ち込んで、自分の出来なさを痛感して、それでも自分にベクトルが向かないから自分のために行動することができないと言う状態が1番良くないと思う。その時はすぐに相手から自分にベクトルを向き直して自分に必要なことを精査してすぐに行動に移すべし。

対立する事は大切なことでもある
ただ、人と競ったり対立する気持ちが、その人自身や他者を傷つけることに向かないことが大事

生まれ持ったものが原因で分断されなければならない、と言う現実の反発を抱くきっかけがない人生だったら、内なるエネルギーは何に注いでいたのだろうか。

自分だけにできることも、世の中の多大な影響力もいらない。自分とは必ず何かが違う。誰かとここで子暮らし対立して対話をする。それでいい。その繰り返しの先には対立を生む原因だった。違いこそが、実は大きなつながりをもたらすのだと言う実感が待っているはずだ。

対立する者同士を対立させた背景は、この世界に存在し続けているのだから。

平成は対立を排除した時代。だけど、対立は見えなくなっただけであり続けている。
ゆとり教育を受けてきた世代は、1つのゴールに向かって全員がしのぎを削って、競争するより、自分の個性を大切に磨いていこうと言う風潮の中で育った。自分らしさを大切にと言う一見優しい価値観。その個性や自分らしさの正体は、実は誰も知らないと言うところに平成ならではの苦しみ、見えない対立の種が眠っていると思いました。
→個性や自分らしさなんて誰も知らないんだから、自分が自分の個性や自分らしさが分かっていなかったとしても焦る必要なんてない。萌子とお互いのファッションスタイルについて話したときに、もうちょっと自分のスタイルを統一したいと思っていたけど、実は萌子にとって私らしいファッションの印象をある程度持たれていたことがわかった。だから、個性や自分らしさなんて自分でよくわかっていないのなら、わざわざ自分から主張するものでは無いのかもしれない。自分が勝手に好きなように生きたいように生きている中で、勝手ににじみ出てきているものなのかもしれない。

本作で見つめた地獄と言うのは、他者や世間の平均値からの差異でしか、自分の輪郭を感知できない人間の弱さです。外から順位付けや評価をされる機会が全くなくなると、自分で自分の意義や価値を見出していかなくてはならない。決めつけるようにジャッジしてくる存在がいなくなったことによって、自分はあの人よりもダメとか、この人よりはまだマシとか、日々自分で自分をジャッジし続ける地獄が始まったところもあると思うのです。
→ルネスに来てからの私は日々自分で自分をジャッジし続けているかもしれない。あの人よりもを英語ができない、この人よりも考えるスピードが遅い、あの人はこんなに質問することができる。向上心があるからこそ、人と比べては、自分のできないところに気づいてしまって落ち込んでいるけど、るめすの平均値からの差異で自分を評価するのではなくて、もっと自分が興味あることや頑張りたいと思うことの物差しで、自分を評価していこう。そのためには、まず自分の興味のあることや頑張りたいことをちゃんと特定して、それに向かって地道に学んで理解を深めていく努力をすることが最優先。

だけど自分は誰かと比べ続けてしまう苦しみ、自分で自分の意義や価値をジャッジし続ける行為は、心の内側から腐っていくというか外から見ても傷のありかがよくわからない。
ありのままのあなたで良いと言われたって、人間は何かをしていないと不安になる。口先だけの優しいフレーズがたくさん生まれましたが、何もない人生の焦燥、無価値に感じられる自分への恐怖は、そーゆーまやかしを一瞬で打ち砕いていきます。

あなたはあなたのままで良い、生きているだけでいいんだよという言葉だけでは救い切れない何か

確固たる才能や専門性があるわけでもない自分に薄っぺらさを感じ、自己否定の波に飲み込まれることもある。
→これについてはほんとに共感しかできなかった。私も特に才能とか専門性があるわけじゃなくて、話してることも薄っぺらいし、知識も浅いしだめだめだなぁと思うことがある。でも、この自信のなさは努力でしか埋めることができない。専門性も相対的なものだったと言うことを思い出して、ここまでできるから専門性があるんだではなく、自分の将来やりたいこと、研究したいこと、もっと理解を深めたいことを突き詰めていった結果、他の人たちよりもその分野においては、専門性が少しあるって言う状態になるのが自然なのかもしれない。
This entire review has been hidden because of spoilers.
Profile Image for Miki.
11 reviews
July 11, 2024
正欲を読んで以来、朝井リョウさんのファンになりました。そしてこの作品が正欲に影響を与えたと言うインタビューを見て読みました。

正直、主人公が多くいる朝井さんのスタイルは好きではありますが疲れる要因でもあるなと感じた作品でした。ただ、やっぱり読み進めていくと全てが解き明かされていく感覚がたまりません。


内容としても、現代を生きている誰しもが自分ごと化できるような課題を取り上げています。

今回は雄介のような、「生きがい」を探している人、彼を中心に描かれていましたが、最後の音楽を流す原因…人って変わらんなって言う現実を突きつけられた感が半端じゃなかったです。

また「生きているだけでいい」と何度も聞かされるこの社会にまさにうんざりしていたところだったので、この型にハマらない社会を生きてきた者ならではの苦しみをよく表現した作品でした。

結局人にはなにかしらのエンジンや「生きがい」が必要なのである。人は比べなくていいと言うにも関わらず、比較をする生き物である。比較を悪とするこの世の中に違和感を覚えつつ、比較をしない人なんているのかという疑問。

承認欲求の塊である、与志樹や弓削さんはまさに自分はこうはなりたくないと思いつつ、自分であるかのようにも思えた。彼らに対するちょっとした嫌悪感はきっと、自分に当てはまるかもしれないという気持ち悪さからきているのだろう。

それでもこんな世の中を生き抜かなければならない絶望感と現実を突きつけられた感がさすが朝井さんだと感じました。
This entire review has been hidden because of spoilers.
75 reviews1 follower
October 18, 2023
浅井さんのこういうタイプの本ほんとに好き。刺さりすぎてきついところもあったけど、考えるきっかけになった。誰のことも全面的に応援しようと思わせてくれないところがちょっと辛いんだけど、全部ものすごく暗いわけでもなくて、希望もちらほら見えなくもないところがよかった。答えは自分で見つけていくしかないんだよね。外にはないから。
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