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あのこは貴族 (集英社文芸単行本)

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東京生まれの華子は、箱入り娘として何不自由なく育てられたが、20代後半で恋人に振られ、初めて人生の岐路に立たされてしまう。名門女子校の同級生が次々に結婚するなか、焦ってお見合いを重ねた末に、ハンサムな弁護士「青木幸一郎」と出会う。一方、東京で働く美紀は地方生まれの上京組。猛勉強の末に慶應大学に入るも金欠で中退し、一時は夜の世界も経験した。32歳で恋人ナシ、腐れ縁の「幸一郎」とのダラダラした関係に悩み中。境遇が全く違って出会うはずのなかったふたりの女。同じ男をきっかけに彼女たちが巡り合うとき、それぞれ思いもよらない世界が拓けて――。結婚をめぐる女たちの葛藤と解放を描く、渾身の長編小説。

250 pages, Kindle Edition

First published November 25, 2016

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About the author

Mariko Yamauchi

19 books2 followers
山内マリコ (Yamauchi Mariko).

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Community Reviews

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Displaying 1 - 8 of 8 reviews
87 reviews2 followers
March 26, 2021
前半の描写は丁寧で、華子の結婚に対する焦りや上京した美紀の違和感のそれぞれに共感できた。大学内部に存在する独特のヒエラルキーは自分も肌で感じ傷ついたことがあり、その後何年も後にブルデューの研究を知って初めて謎が解けたような気持ちになったことがある。その辺りの人間関係や美紀の心理描写は社会学に通じるところもあり、見事だと思った。

一方、たいして調べもせず美紀が大学をあっさり辞めてしまうところとか、新丸子でも家賃は十分高いのにその後麻布に引っ越すとか(到底若い女性ひとりの稼ぎで暮らせる場所ではない)細かい設定に気になるところがあったのと、前半と比較して後半は描写の荒さが目について感情移入できなかった。女性間の分断に鋭く切り込む美紀のセリフなど素晴らしい部分も多かったので、余計に結婚式での幸一郎の反応や華子の結婚後の生活や離婚までの経緯がさらっとしか描かれていなかったことが残念。

とはいえ、映像で見たらまた別の楽しみ方も出来そうなので、映画も見てみたい。キャストはイメージにぴったりだと思う。
This entire review has been hidden because of spoilers.
Profile Image for Erika.
2,840 reviews90 followers
June 9, 2020
「東京生まれの箱入り娘」vs「地方生まれの雑草系女子」、「上流階級を舞台に描くアラサー女子たちの葛藤と成長」と言う謳い文句を聞いて、「まぁ読んでみるか、自分もアラサーだし」、とあまり期待せずに読み始めた。
どうせマリッジ:インポッシブル的な、「結婚への危機感を抱く女子を揶揄した軽い話だろう」と…
が!想像以上に考えさせられて、そして想像以上に自分の事に似ていて、とても楽しめた!

1:「真の東京」と「外部(田舎)」の対比
私も東京生まれの(ほぼ)東京育ち。
時岡美紀が「帰国子女の女の子は夏になるとてらいなくLA風の装いをし、当たり前みたいにサングラスをかけて、ちょいと頭の上に持ち上げてヘアバンドがわりにしたりする。」と描写する、そのままの大学生だった(今も…)。私は違うけれど、従兄弟たちは慶應(高校からだから生粋ではないけれど)。
華子たちの祖母の呼び方「おばあちゃま」はそのまま我が家でも言う言い回しだし、華子の祖母が高級な装飾品や着物を贈ってくれる様も、私の祖母との関係と当てはまる(特に私は女系一族の唯一の孫なので)。
帝国ホテルやその他高級ホテルでの食事は普通だし、美術館巡り、音楽会巡りは季節行事。母の友人関係をみると、ここに出てくる「品のいいおばさまがた」と言う描写がぴったりくる人ばかり。

なので、第1の主人公、榛原華子の世界は容易に想像できる。

それと、普段だったら、登場人物が「自己主張のできない可愛い系の子」だとイライラして、ページの中に手を突っ込んで首を絞めたくなるんだが、何故か華子に対してはそれを一切感じなかった。そのくらい、「箱入りの育ちの良いお嬢様」が嫌味なく描かれている。
(ちなみに余談だが、華子の敬語の使い方がきちんとしていて、「似非上流階級」じゃなかったのも、とてもリアルで好感が持てた。例:「お招きいただき」じゃなくて、ちゃんと「お招きくださり」)


ただし、私の両親は関西出身。私も、「東京育ち」とはいえ、西の方出身で、「生粋の東京人」ではない。(言うなれば、関西人2世か)。そして、華子の世界のような生粋の慶應生は身近にいないし、あそこまで大金持ちでも、由緒ある家柄でもない。政権・財界の中枢に近い知り合いもいない。
美紀が自分の田舎(おそらく「雪が多い」と著者の出身地からして、富山)に帰った時の様子は、母が自分の田舎に帰った時の描写がそのまま当てはまる。
(母が久々に地元の中学の同窓会に行く時、いつもよりおとなし目の服を選んで、「これで大丈夫かな、浮かないかな」と心配していたのを思い出す。トーンダウンしても、地元の人にとって母は「上京した子」「海外に暮らしてた子」というオーラを纏っているらしい。母に憧れて、母の名前を自分の娘につけた子もいるくらい。そのくらい、地方で「上京する」とは凄い事のようだ。ちなみに私が母の実家周辺を歩いていると、かなり浮くらしく、声をかけられ「あぁやっぱり東京の人なんや」と言われる。ただのジーンズにH&Mのボーダーのシャツだったのに。サングラスのせいか?)
それに、地方の「大手企業の下請けの工場で働く」「地元でトップの進学校に入り、東京の大学で4年間勉強して地元に帰り、結婚する」というのも、私の大学時代の地方出身の友人にあるパターン。(だが考えてみれば、ほとんど東京に残ってるかも。もしくは海外に移住するか。)
そして、知り合いのチェリストや、友人のヴァイオリニストたちを見ていると、彼らこそ「裕福な家庭」で育ったんだろうな、私の知らない「内」の世界があるんだろうな、とつい憧れの目で見てしまう。

なので、第2の主人公、時岡美紀の気持ちや立場も理解・想像できる。

私はちょうど2人の間くらいの立場、つまり華子ほど「内部」の人間ではないけれど、美紀ほど「外部」でもない、そう言う視点でこの本を読むと、第1章も第2章もとても面白く、共感しながら読めた。


2:「女同士の義理」と女性の成長
第1の主人公は、東京生まれ東京育ち、周りは慶應だらけのお嬢様。よく言えば「おっとり」しているけれど、ちょっと世間知らず気味で、自己主張もしない。良い子だけれど、つまらない。
第2の主人公は、地方出身で時頭は良いけれど、「都合のいい女」になってしまっている自覚がある。

この二人が、相楽と言うナイスな脇役のお膳立てで出会うんだが、てっきりキャットファイトになるのかと思いきや、そうはならない。世界で当然のように女性が置かれる不平等な立場に言及し、美紀にこう語らせる:
「世の中にはね、女同士を分断する価値観みたいなものが、あまりにも普通にまかり通ってて、しかも実は、誰よりも女の子自身が、そういう考え方に染まっちゃってるの。だから女の敵は女だって、みんな訳知り顔で言ったりするんだよ。若い女の子とおばさんは、分断されてる。専業主婦と働く女性は、対立するように仕向けられる。ママ友は怖いぞーって、子供うんでもいないのに脅かされる。嫁と姑は絶対に仲が悪いことになってる。そうじゃない例だってあるはずなのに。男の人は無意識に、女を分断するようなことばかり言う。ついでに言うと幸一郎は、私とその婚約者の子をもう分断しちゃってる。もしかしたら男の人って、女同士に、あんまり仲良くして欲しくないのかもしれないね。だって女同士で仲良くされたら、自分たちのことはそっちのけにされちゃうから。それって彼らにしてみれば、面白くないことなんでしょ。」

そうそう、何年か前にルミネのCMが炎上してたけど、それも「女性を分断する」CMだったからだ。
https://bizgate.nikkei.co.jp/article/...
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/article...
私もこのCMを見てすごく嫌な気持ちになったけれど、ちゃんと言葉にして考えた事はなかった。てっきり「自分が色々怠ってる罪悪感からつい非難の目で見てしまうんだ」と思ってもいた。
けれど、美紀のこの発言で、目からウロコが落ちた。

つまり、女性同士戦わせ対立させ、自分たちがいかに不平等な扱いを受けているか気づかせないのが、今までの世間のあり方だったんだ。
そして、「婚約者」「愛人(美紀は婚約者の存在を知らなかったけれど立場的にはこれ)」がお互いを憎しみ合うのも、この分断の一種。冷静に考えれば、そもそも間の男が悪いだろ、とこの本ははっきり言う。
ここで浄瑠璃の「心中天網島」と、「女同士の義理」が言及される。
そんなものは「女性を分断する」世の中ではファンタジーに近いけれど、この本ではある意味「女同士の義理」が描かれてると思う。

美紀のキャラがさっぱりしていたのも好感が持てたし、華子と美紀の人間としての成長、変に青木幸一郎を最終的に敵にして「リベンジ!」で終わらせない終わり方もよかった。(わかりやすい敵を描いた話は描きやすいけれど、浅くなりがちだし。)


それと、最後に「一人の政治家が、このようにして誕生しようとしている。華子と同じ小さな世界で、何不自由なく生きてきた幸一郎のような特権階級の人が、いま、国民の代表として政治の世界に参入しようとしている。出馬すれば初当選は間違いないだろう。若く見栄えも良く経歴もすばらしい幸一郎に、きっと世間も注目するだろう。」と、小泉進次郎のことを思わせる華子のコメントもあり、はっとしつつもクスッとしてしまった。
(小泉進次郎、もはやアイドルの扱いな気がする。「気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきだ」って…あぁ表面的。あぁバカっぽい。https://www.fnn.jp/articles/-/14039)


話題にはなってたし、「逃げ恥」や「たられば」的な軽い話(だが私は両方とも読んだことも見たこともないので、これも偏見かも)なのかと思ってたけど、思った以上に色々考えさせられ、色々思い出させられ、本当に楽しい読書ができた。
自分のアイデンティティを考える、自分にとっての「内部」と「外部」って何だろう、と考えさせられた。

あと、著者が1980年生まれの女性、と言うのも良かったのかも。
やはり同じ性別で年齢が近いと、共感するポイントが多い。
なので、もしかしたら男性が読んだらつまらないのかも。男性は全員脇役だし。主人公たちを前に進める道具にしかなってない。
けれど、考えてみれば、今までの「古典」はそう言う「男性視点」のものが多い気がする。これも今までの男性優位の社会を映しているように感じる。
この本、登場人物たちの性別を逆にしたらどう感じるかな、私…
…てな事も、この本の事を考えながら、ぼんやり思った。

そうだ、この始まりと終わり方、いいブックエンドだ。
(ブックエンド じゃないか?ちょっと単語が思いつかない。立て並べた本が倒れないように、両端に押さえとして置いてあるやつ。あれ。)

…あぁ、アフターヌーンティーしたくなってきた。
パークハイアットもいいけど、リッツか紀尾井町かコンラッドがアマンでもいいなぁ。
コロナが終息したら、友人を誘って思う存分行こう。
(ちょど友人とアフターヌーンティーの話をしたばかり。我ら独身アラサーはアフターヌーンティーマニアと化してるのだ)
Profile Image for Cassandra.
40 reviews9 followers
June 17, 2021
背景设定和个人生活过于重合,以至于无法仅将其作为文艺作品客观评价。虽然是虚构,但字里行间总觉得写的就是身边的前辈后辈、上司同僚的故事。语言手法丝毫没有过激之处,却又能将东京社会现实揭露得赤裸裸。
48 reviews
January 17, 2023
大学入学で上京したときに感じた、都会の子たちとの文化的な違いや、田舎出身ということに対する劣等感が蘇ってくる内容だった。でも田舎出身の登場人物が、東京で華やかな暮らしをしながらもそこ以外の生活を知らない人々と自分を比べ、よそ者であることの強みや気楽さに気がついてくれたことで、自分の気持ちも晴れやかになった。
75 reviews1 follower
October 15, 2024
この作家の本は読んだことがなかったけれど、わりと面白かった。シスターフッド的なストーリーにあんまり関心がないんだけれど、東京育ちと田舎育ちの女性の心境の違い、そして、女性同士が敵視し合うように仕向けられている、という指摘など興味深かった。最後の展開はちょっと突然すぎて着いていけなかったけれど、日本の特に田舎が心配な私としては良い結末だったと思う
Profile Image for Maria.
418 reviews16 followers
January 23, 2023
我还以为三个女人会面后女主会取消婚礼,华子结果结了又离非要让人成长折磨一番,我好奇真的有这种丈夫忙又不关心冷落自己,百无聊赖锦衣玉食而离婚的女人吗。美纪的清醒理智让人佩服,最后感悟也变了,眼中熠熠生辉繁华的生活在东京的本地这个圈子的人,远离大众习惯特权,本身的社交何等狭小也没有任何办法可以点醒自己。

从中学时代起一成不变的人际关系,沉闷压抑。
人们长年累月按部就班,形成狭窄的活动范围与固定的行为模式,每个人都像模仿父母重新产出的翻版,毫无新意。思维方式因循守旧到令人瞠目。流言蜚语遍布大街小巷。生活雷同得仿佛数十年时光都不曾流逝。一群人定居在同一片土地,形成了无可奈何的闭塞,同时也带来了安逸无忧的舒适。或许,乡村和都市不过是地理上的差异,其本质没有任何不同。
美纪禁不住又想到:自己就是一个彻头彻尾的圈
外人,出生在离他们的世界遥不可及的穷乡僻壤,莫名其妙来到了东京,但却愚昧无知、一无所有。
不过,这却是何等自由。


阶层身份的差异,落差感写的很让人感同身受,初次三个女人会面聊天,富家女华子习以为常的东西,美纪有些不好多插话容易显得没见过世面。
1.22
第一章贵族女主愁嫁催婚相亲终于找到男主如意郎君,女主没工作去相亲还被人嫌弃,不能只做家庭主妇还是要有自己收入采源啊,我以为的富人相亲不正希望对方安安分分相夫教子嘛。第二章另一女主小镇做题家考入大城市私立贵族大学,生活拮据陪酒坐台男主的情人,大学没有助学金奖学金吗,为什么至于沦落到休学?我之也看到有小说写只要女的陪酒这样赚快钱很容易陷进去,做正经工作就会嫌累不适应。这章女主写的感觉深刻多了,有种作者自身经历的东西在里面,特别是关于繁华东京与自己想要逃离落后小镇的感觉的对比,回到小镇觉得荒凉落寞,没有怀恋。写的很好。
This entire review has been hidden because of spoilers.
Profile Image for Yull.
37 reviews1 follower
July 4, 2022
好喜欢美纪,和她一样我也是个外乡上京的打工人,也曾羡慕本地人一出生就拥有不用奋斗被安排好的人生,但我没她那么洒脱。
Displaying 1 - 8 of 8 reviews

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