サイレント・ブレス (幻冬舎単行本)

by Kyoko Minami

「死んでいく患者も、愛してあげてよ」命の終りを真摯に見つめる現役医師による、感涙のデビューミステリ。現代の終末期医療の在り方を問う、渾身の書き下ろし。大学病院の総合診療科から、「むさし訪問クリニック」への“左遷”を命じられた37歳の水戸倫子。そこは、在宅で「最期」を迎える患者専門の訪問診療クリニックだった。命を助けるために医師になった倫子は、そこで様々な患者と出会い、治らない、死を待つだけの患者と向き合うことの無力感に苛まれる。けれども、いくつもの死と、その死に秘められた切なすぎる“謎”を通して、人生の最期の日々を穏やかに送れるよう手助けすることも、大切な医療ではないかと気づいていく。そして、脳梗塞の後遺症で、もう意志の疎通がはかれない父の最期について考え、苦しみ、逡巡しながらも、静かな決断を下す――。その「時」を、倫子と母親は、どう迎えるのか……？「サイレント・ブレス」とは静けさに満ちた日常の中で、穏やかな終末期を迎えることをイメージする言葉です。多くの方の死を見届けてきた私は、患者や家族に寄り添う医療とは何か、自分が受けたい医療とはどんなものかを考え続けてきました。人ஶ

325 pages

First published September 1, 2016

About the author

Associated Names:
* Kyoko Minami
* 南 杏子 (Japanese)
* 南杏子 (Chinese)

Reviews

[Indy · Rating 5 out of 5]

A superb novel on palliative care, which is usually more difficult to be accepted in Asian culture. This book uses the narration of palliative care doctor to tell the importance of “good death” and palliative care in medicine. Heart warming and inspiring.

[E Cheong]

DNF