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十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞

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日本では、千年前から男は情けなく、そして女は強かだった……。
本家本元よりもリアルで面白い、もう一つの『源氏物語』

就職試験を五十八社続けて落ち、彼女にも振られた二流大学出身の雷。そんな時、弟の水が京大医学部に現役合格したとの知らせが入る。水は容姿端麗、頭脳明晰、しかもいい奴と、非の打ち所がない。雷はアルバイトで「源氏物語」の世界を模したイベントの設営を終え、足取り重く家に帰ろうとするが、突然巨大な火の玉に教われる。気が付けば、なんとそこは「源氏物語」の世界だった。
雷は、アルバイト先で配られた『源氏物語』のあらすじ本を持っていたため、次々と未来を予測し、比類なき陰陽師として、その世界で自分の存在価値を見出す事に成功する。光源氏という超一流の弟を持ち、いつもその栄光の影に隠れてしまう凡人の帝に己を重ねた雷は、帝に肩入れするようになるが、その母親・弘徽殿女御は、現代のキャリアウーマン顔負けの強さと野心を持っていて……。
人間の本質を描き続けてきた内館牧子が描く、本家本元よりも面白い、もう一つの「源氏物語」。

406 pages, Hardcover

First published January 9, 2015

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内館牧子

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Profile Image for Erika.
2,879 reviews87 followers
November 18, 2020
勉強も見た目も全てイマイチな主人公が、「源氏物語」の世界に紛れ込んでしまう話。
タイムトラベルものが大好きなので、そしてInstagramでみた映画の予告が楽しそうだった(主役の伊藤健太郎のニュースを聞いた直後だったので微妙な心境ではあったが)ので、借りて見た。

正直、「平安時代にタイムトラベル」くらいの前情報しか持たずに読み始めたので、初めは「源氏物語」と言うフィクションの中に入る、という展開に驚いた。
けれど、主人公の順応能力の高さや、「イマイチ男」の一人称にありがちなうじうじした気持ち悪い描写がなく(女性が書いてるからかな)、面白く読めた。

源氏物語は高校の時から苦手で、はっきり言って「モテモテの光源氏がやりまくる話」と言うイメージしかなかった。このイメージは特に払拭されなかったけど(だって女なら手当たり次第に手を出してるし)、その背景や、全く知らなかった光源氏とその異母兄の朱雀帝の話、そしてその母弘徽殿女御を知れて、興味深かった。
著者があとがきに書いている通り、この女性、「プラダを着た悪魔」のメリル・ストリープ的にかっこいい。きついけれど、応援したくなる。紫式部は彼女を冷遇したようだけれど、著者のいうように、女御の事をもっと知りたくなった。

驚いたのが、
それと、そもそも何故主人公が源氏物語の世界に飛ばされる羽目になったのかも説明はない。そのカラクリは物語に重要ではないとはいえ、SF好きとしては「もうちょっと説明を…」となってしまった。主人公伊藤雷の一家が、紫式部の子孫だったとか。彼女の血を引くのダメ人間は、問答無用で源氏物語の世界に飛ばされて修行させられる羽目になるとか。(でもそうすると、「源氏物語」のあらすじが毎回危機か。)

また、主人公が平安時代に慣れるにつれて(と言うか、主人公の適応能力が高すぎて、びっくりする速さで適応してる)、「現代日本の言葉遣いは汚い」「現代の日本人は緩んでる」等のディスりが入る。まぁ100%反対はしないけれど、主人公が引用する現代女性たちの言葉遣いは、現代の私から見ても非常に汚い。だらしない。それを平安時代の貴族の言葉遣いと比べられてもなぁ。そこはちょっとモヤモヤ。

あと、主人公は諦めモード全開の、中途半端なバカという設定だけど、平安時代で目覚めてすぐに、あの速さで順応できたり、学校で学んだ源氏物語や平安時代の事を思い出せる、そして言葉遣いも対応するように変えられる、ってすごい事だと思う。私なら無理だ。

物語の前半は、主人公の適応能力に感心し、よく知らない源氏物語の世界をある意味「現代語訳・解釈つき」で読めて面白かったが、途中から飽きて来てしまった。光源氏は相変わらずだし、主人公もだんだん「源氏物語を現地と現代の両方の目で解説する人」となって、新しみを感じなくなった。
そして、結末も、尻切れとんぼというか、都合がいいというか、主人公が源氏物語の世界で過ごした月日の重みを感じない終わり方だったので、残念。
読んで後悔はしていないし、結構面白かったので、星3つ。

(映画主役の伊藤健太郎、「あしガール」では戦国時代の若様で現代から来た女の子を相手する役だったが、この話では逆の立場か…なんか面白い。)
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