ねじまき鳥クロニクル―第１部 泥棒かささぎ編―（新潮文庫）

by 村上春樹

「人が死ぬのって、素敵よね」彼女は僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉はあたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっともぐりこんできた。「どうして？」と僕は訊いた。娘はまるで封をするように僕の唇の上に指を一本置いた。「質問はしないで」と彼女は言った。「それから目も開けないでね。わかった？」僕は彼女の声と同じくらい小さくうなずいた。（本文より）

304 pages, Kindle Edition

Published October 1, 1997

About the author

Haruki Murakami

村上 春樹（むらかみ はるき ）は、日本の小説家・翻訳家。京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市・芦屋市育ち。

Reviews

[✰ Charlotte ✰ · Rating 4 out of 5]

Part one of the wind-up bird chronicle: I was traumatised by Lt. Mamiya's account of his wartime experiences, particularly the horrifying description of a man's skin being completely peeled off right before his eyes.
🥲