オーバーヒート

by 千葉雅也, Masaya Chiba

第165回芥川賞候補となった最新作「オーバーヒート」に、
第45回川端康成文学賞受賞の初短篇「マジックミラー」を併録！

『デッドライン』で鮮烈な小説家デビューを果たした哲学者による
現代日本文学の最前線

言語が僕を隔てている。男たちが跳梁する空間から――。

東京への愛惜を抱きつつ大阪に暮らし、京都の大学で教鞭を執る哲学者。
「言語は存在のクソだ！」と嘯きながら、言葉と男たちの肉体との
あいだを往復する。年下の恋人への思慕、両親の言葉、行きつけのバー、
失われた生家である「大きな白い家」、折々のツイート……。
「僕」を取り巻く時間と人びとを鮮やかに描く新作長篇「オーバーヒート」。
ハッテン場と新宿２丁目の移ろい、甦る記憶が現在を照射するさまを描いた、
選考委員絶賛の川端賞受賞作「マジックミラー」を併録。

185 pages, 単行本

Published July 10, 2021

Reviews

[Emi · Rating 3 out of 5]

この小説の主人公(著者？)と自分は共通点がほぼなくて(私はTwitterやってないし、幼少期から引っ越しを繰り返してたから住む土地になんのこだわりも思い入れもないし、東京も住んだことあるけど嫌いだし、他人に性的欲求抱かないし、人との関わりは極力避けたいしetc.)、全く違う境遇の話であっても大抵はどこかしら通じるものがあったりするけど、この本に関しては特にそういう部分が見つからなくて、だからこそ興味深かった。自分とは全く違う人っておもしろいな。