面白くないかも、でももしかして…となんとなく選んだ本を読み始め、すぐに自分好みだとわかったとき、びっくりするくらいうれしくなる。この本がまさにそう。
井上荒野の小説は初めて読んだ。読み始めてすぐに、ぴんとくるものがあった。私が江國香織の小説に感じるそれと一緒だ。文体、ストーリーライン、ディテイル、醸し出す雰囲気までそっくり。
仲のいい姉妹。その一方で情事を重ねる姉と妹の夫。
ありえないような親密な関係なのに、じわじわと広がる絶望感の程度がとてもリアルで、まさに私好みの小説。いつまでも読んでいたい気分だった。エンディングがちょっとすっきりしないのが残念。