What do you think?
Rate this book


本書はこの視点から作られた、新しい形の教科書である。柱になる練習問題は、高校の現代文で学ぶ短文や、「死刑制度は廃止すべきか」などよく話題にのぼる争点が材料になっていて、難解なものもあるが親しみやすい内容になっている。
構成は、まず「順接」「逆説」「議論の構造」といった基本概念の解説があり、例題や練習問題が後に続いている。ここから、議論の流れをつかむ、論証の構造をとらえる、討論や論文を作るといった能力を身につけていくしくみだ。
ただ、このトレーニングは生半可なものではない。本書には、「論理」という一線を踏み外すことを許さない厳格さがある。これまでいかに無自覚に言葉を連ね、またそれを聞き流していたかを痛烈に感じる。さらに、論文演習(例題は「自然保護について論じよ」)では、「非論理的」な文章を批評する著者の筆が鋭くなり圧倒される。(棚上 勉)
187 pages, 単行本
First published January 1, 1997