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この躰(からだ)は、いつまで「女」がうずくのか。
現役最高齢作家が円熟の筆で描く、生と性の深淵。解説:窪美澄。

その日、人形作家・上原眸(ひとみ)の元に届いたのは、四十年来の友人・大江茜(あかね)の訃報だった。「あたくしの美意識」に基づき、八十歳を目前に自殺を遂げた茜。母である前に一人の女として愛欲に忠実に生き抜いた彼女の人生を、その手記や家族からの手紙、そして自らの過去を重ねて振り返りながら、眸は女の生と性の深淵に思いを馳せる。
九十歳を過ぎた著者が円熟の筆で描く、爛然たる長編小説。

本文より
巻紙に薄墨で美しく書いた死亡通知を受け取った朝は、冬空に雲一つなくきいんと晴れ渡っていた。書簡手本文集とはいささか違う感じのする文面は、三度読み直しても、どこか空々しく何の感情も訴えて来なかった。
茜がすでに死んでいたという事実だけが、胸に鈍い痛みを射ちこんできた。
ほとんど毎日のようにかかってきていた茜の電話がふっつりと、と絶えてから、数年が過ぎている。……(本書6ページ)

瀬戸内寂聴
1922(大正11)年5月15日徳島生れ。東京女子大学卒。1957(昭和32)年「女子大生・曲愛玲」で新潮社同人雑誌賞受賞。1973年11月14日平泉中尊寺で得度。法名寂聴(旧名晴美)。1992(平成4)年『花に問え』で谷崎潤一郎賞、1996年『白道』で芸術選奨、2001年『場所』で野間文芸賞、2011年『風景』で泉鏡花文学賞を受賞。1998年に『源氏物語』(全10巻)の現代語訳を完訳。2006年文化勲章を受章。著書に『かの子撩乱』『美は乱調にあり』『青鞜』『比叡』『手毬』『いよよ華やぐ』『釈迦』『秘花』『奇縁まんだら』『月の輪草子』『わかれ』『老いも病も受け入れよう』『求愛』『いのち』など多数。

Paperback Bunko

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瀬戸内寂聴

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