オウム真理教とは何だったのか、私だけが、真実に辿りつけるはず――地下鉄サリン実行犯/死刑囚Yとの十年を超える交流実体験をもとに、世紀の大事件を描く衝撃の私小説地下鉄サリン事件の実行犯で確定死刑囚Yの望みで、外部交流者となった作家・羽鳥よう子。贖罪の日々を送るYと、拘置所での面会や手紙のやりとりを重ねるうち、羽鳥はこんなに穏やかそうなYが《なぜ、殺人マシンとまで呼ばれるほどの罪を犯したのか》という疑問を抱く。《警察も、マスコミも、世間も、間違った解釈でオウム真理教事件を過去のものにしてしまった。Yとの出会いは運命。私だけが、事件の真実に辿りつけるはず――》関係者に会い、教義を学ぶうち、そう確信した羽鳥は、ついにYとの交流をもとに『逆さに吊るされた男』と題した小説を書きだし、独自のオウム解釈にのめり込むのだったが……。