ナルキッソスの絵画を調べていて気になったので、ギリシャ神話と絵画について知りたくて購入。
オリュンポス十二神をベースに読み解かれていてかなり興味深かった。もともと読みたかったカラヴァッジョの『ナルシス』も含まれていたし、表紙に、採用されている『ピグマリオンとガラテア』も好きになった。神にまつわる絵はその1枚でなくさまざまな時代の作家が書き残していて、この本に載っている1枚だけじゃなく他の作家の絵を調べて比べるのも面白い。作家によって解釈が違うのがまたいい。絵を見て完全に「正しい」解釈などなく、無知ながら鑑賞する楽しさと自由がある。
平面の1枚の絵にどれだけ多くの情報、物語、世界観が描かれているのか、想像以上であったし、見たことのある『春』でさえ何の知識もなくただ見ているだけだった自分の無知さを知らされる。それぞれ神のアトリビュートがあり、これを知っているだけでも鑑賞知識としてかなり役に立つのではないだろうか。
「現代人はともすると有名な絵画を、まじめな芸術家がまじめな芸術態度でまじめな芸術品に仕上げた。と思いがちである。襟を正して鑑賞すべきもので、発表当時もやはり皆が襟を正して見たはずだ、と。だがそんなはずのないことは、小説家が嬉々としてパロディ作品を描くことを考えれば明らかであろう。画家も作品で遊んだのだ。」p.146
「どれもオリジナルを熟知してこそ面白さが倍加する。」p.147
芸術鑑賞と言われると堅苦しいものだと感じがちだが、それは違うのだとハッとさせられた。