Erika’s Reviews > Sketches from a Nameless Land: The Art of the Arrival > Status Update
Erika
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雲をつくような巨人が街を破壊するシーンは、その典型的な例だ。基となったコンセプトのヒントは、あるルーマニア人難民が共産主義体制について語った言葉だ。彼女は当時の故国を、否定のイデオロギーに支配され、自由や美しいものは”吸い取られ”て”音のない灰色”の無気力な影に置き換えられてしまった、と説明していた。それを聞いて、僕の心には彼女の言葉通りのイメージが浮かんだー強大な存在が掃除機で世界を吸い上げている(”民族浄化”という恐ろしい婉曲的な言葉も暗示している)光景だ。
— Apr 06, 2019 07:28PM
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Erika’s Previous Updates
Erika
is on page 47 of 48
『アライバル』の創作に取り組んでいた長い年月のあいだに、僕のはあることを何度も考えたー本当の意味というものは、名前やラベルからでも、物体そのものや行為自体からでもなく、何らかのこじんてきなな記憶や、それに対して僕たちが抱くイメージや感情から生まれるのではないだろうか。長年慣れ親しんで、違和感がなくなると、そうした感情はやがて、詳しい説明の必要性を消し去るほど強くなる。それ自体が真実に、つまり、創られた現実になるのだ。もしかしたら、これこそがーその土地を知ったり理解したり、そこに適応したりする必要性を超越したー”帰属意識”なのかもしれない。
— Apr 06, 2019 07:36PM
Erika
is on page 31 of 48
何より重要なのは、理解不能な言語を使ったおかげで、僕たち読者が主人公の気持ちを実感できるということだ。僕たちは未知の世界に到着したばかりで、目に見える光景や、物と物との関係性や、人の動作などから、意味や価値基準
解読することしかできない。そして、そこから頭を働かせてつながりを探ることでしか、理解を深められない。ここでは、どんな知識よりも想像力が役に立つのだ。
— Apr 06, 2019 07:07PM
解読することしかできない。そして、そこから頭を働かせてつながりを探ることでしか、理解を深められない。ここでは、どんな知識よりも想像力が役に立つのだ。
Erika
is on page 31 of 48
随所に使った筆記体風の文字はまったく意味を成さないが、本物の文字のように見えてほしいと思っている。はさみとテープを使い、ローマ字とアラビア数字に外科手術を施して再構築したものだ。たちまち意味不明となった文字は、いかに僕たちが、確実で信頼できる伝達手段として、書き言葉に依存しているかを自覚させてくれる。架空のアルファベットを試作した結果、僕は、この作品では文章を使うのを一切やめようと決意した。
— Apr 06, 2019 07:04PM
Erika
is on page 29 of 48
暗黙の前提として、この街に暮らす人々は実のところ全員が移民で、ひとりひとりが苦難とそこから立ち直った人生の物語を持っている。彼らは力を合わせ、理想主義と歴史的教訓に基づいた世界を築いた。彼らはつまり、他者への寛容や思いやりや柔軟性を失うと何は起きるか、わかりすぎるほどわかっている人々の共同体なのだ。
— Apr 06, 2019 06:59PM
Erika
is on page 12 of 48
この”グレイト・ホール”のイラストは、想像力に富んだ絵画を制作するためには、歴史に関するリサーチが不可欠であることを証明するほんの一例だ。そして、博物館にあるような資料をいかに詩的に解釈できるかも示している(もちろん、ドキュメンタリーもまた然りだ)。過去とは人々が恣意的に想像力を働かせて心に留めているひとつの独立した国だと考えると、歴史と夢と芸術はよく似ている。僕はそのことにずっと興味を持ち続けてきた。
— Apr 06, 2019 06:50PM
Erika
is on page 10 of 48
『アライバル』制作のためのリサーチを続けるうちに僕が一番興味を持ったのは、人々の経験のごくささいな部分だった。(略)移民自身が語る体験談は、統計云々とは一切関係のない観点から伝えられる。そのどれもが、こじんてきな経験に基づいた等身大の願望とジレンマだ。(略)そしておそらく、これが一番重要な問題なのだろうーーーあらゆることをどう感じればいいのか?
— Apr 06, 2019 06:44PM
Erika
is on page 10 of 48
意識的にせよそうでないにせよ、僕はずっと、見知らぬ世界に置き去りにされて戸惑う、あるいは、何かしらの事情で帰属意識の問題を抱えている、といったキャラクターを描いた物語に魅力を感じてきた。それぞれの物語の内容云々よりも、僕はの心を惹きつけてやまなかったのは、常に中心にあって繰り返し湧き起こる疑問だーーーどこかに帰属する、というのはそもそもどういうことなのだろう?
— Apr 06, 2019 06:40PM
Erika
is on page 9 of 48
多くの場合、非常に過酷な経験を伝えるときでさえ、移民たちの語り口はとても簡潔で控え目だった。英語力の貧しさが一因なのだろうが、言葉というものが概して複雑な感情や記憶を十分に伝えられないからである。僕は、彼らの短い言葉の隙間えお画像を加えることで”埋めて”あげたいという気持ちに駆られたーーー画像もまた、言語とはべつの次元にあるものだから。奇妙な生き物と人間を融合させながら、慣れ親しんだ文化を喪失した感覚、あるいは読み書きができない者や”異邦人”になる感覚とは、いったいどんなものなのか、あれこれと想像をめぐらせた。
— Apr 06, 2019 06:37PM
Erika
is on page 5 of 48
どんな創作物にも水面下には巧みに隠された巨大な氷山があって、作品が沈まないように支えている。構想を練る段階で使ったり集めたりした、箱や資料やスケッチブックといった膨大な素材がそれにあたる。
— Apr 06, 2019 06:31PM
